全く、いつだったかロデュウと一緒にいたのを見かけたからって、直接関係のないオレにまで絡んでくるなんてバカげてるったらないぜ。
その時ザルチムは用を終えたハサミをくるんと一回転させ、もう一度ポケットの中へと収めた所だった。
「何をしているのだ」
足元の学生鞄を拾い上げようとすると、そう尋ねられた。
気配を全く感じなかった。ぎくりとしてすぐさま顔を上げると、一人の少年がいた。
溶けていく夕陽を背にそこへ立っていたのは、百獣の王のような黄金色の髪を束ねた少年だった。
ザルチムと同じくらいの年齢だろうか。臙脂色の礼服に身を包み何をも恐れぬかの如く堂々たる気品をまとったその少年は、ザルチムの足元に転がっている幾人もの不良学生とは明らかに属性が異なっていた。
何だ、とザルチムは再び取り出しかけたハサミから指を放す。どこのお坊ちゃんがこんな路地裏に紛れ込んできたのか。
「早く答えぬか。何をしているのだ、お前は」
「何だてめえ、何の用だ」
「オレが」 少年の宝石のような金の瞳がぴくりと震える。「このオレが、貴様に、質問をしているのだ。お前が訊くのではない。三度は言わんぞ、さっさと答えろ?」
「それが人に質問してる態度だってのかよ、びっくりするぜ」
ザルチムは肩をすくめた。腕組みをした少年は背丈もそれ程変わらないというのに、自分を明らかに見下ろして喋っていた。物理的にではなく、精神的に。
しかしいつもであれば冷たい視線をくれるだけで相手にもしないであろう質問に、あの時はそれでも何故か答えていた。
「見て判りな。ケンカしてたんだよ」
「喧嘩? ほう、一対多か。面白いのか」
「ヒッ、面白いもクソもねえよ、こんなザコ相手のは」 ザルチムは笑った。「――お前、何なんだ?」
とりあえずこれだけの始まりだった。
いつもの仲間達はともかく、あまり人とつるむのを好まない性格のザルチムだが、この王のたてがみの少年にどこか気になるものを感じ取った。 この時のあまり普通ではない状況の会話から何とはなしにポツポツと付き合いが続き、その少年が大財閥の跡取り息子だと知り、学校へは行っていないのだという事も聞き、自分の仲間達に会わせ友人関係というものを教え、少年は彼らにも受け入れられ、そうして「あの時」が「今」まで続いている。
眩しい夕焼けを背にしたあの少年に、その時は解っていなかったがザルチムは、大きなものを見ていたのだった。
こいつはいつか何かでかい事をやるんじゃないか。できればそれを、見てみたいもんだなァ――ザルチムは今もそう思っている。



(リオウじゃねえか)
放課後の通学路での事だった。
ラウシンに頼まれていた夕食の材料を買った街の帰り道、外で見かける事がとても珍しいリオウの姿が眼に飛び込んできた。 ブランド洋服を扱う店のショーウィンドーの前で、何事か話をしていた。
最初、ザルチムは、リオウの隣にいるその人を女かと思った。長いブロンドを流した背を向けていたからだ。 近くまで来てやっと、それが青年だと判った。
リオウんちの関係者か何かかね? 上品な身なりの男を見てそう思う。
黒いロングコートに黒いブーツ、手袋と腕に提げた日傘まで黒一色のその男は、多分元々血色が良い方でもないのだろうが、長い金髪を映えさせているものの黒は彼の肌を対比色として暗く見せており、楽しげな表情に反して病弱なのではないかと思わせた。 療養中の従兄とかだろうかと、途中までザルチムは本気で考えてさえいた。
「よお、リオウ。珍しいな」
「ん?――ああ、ザルチムか」
「久しぶりだな。こんなとこで何してんだ」
リオウは隣の男を指差し、「いや、こいつに言われてな」
「そうだ、誰だ?」
「こいつはまあ……あれだ、先日からうちに住んでいるのだが……便宜上、家庭教師という名目の存在になった奴だ」
「家庭教師?」
ザルチムは驚く。
とうの昔に大学の勉強までいっているリオウに今更そんな人物がつく必要があるのだろうか。
「リオウ、誰だよこの坊や」
長い金髪の男がザルチムを見た。
と言うよりも睨まれた――気がしたが、まあ、気がしただけだな、と一応ザルチムは好意的に考えた。
「昨日お前が訊いただろうが。ザルチムだ」
「あァ、あの――へーえ」
男はにこっと微笑んだ。「初めまして、バニキス・ギーゴーと言います。君がザルチムくんなんですね」
「ああ、宜しくな。……どうした、リオウ」
リオウが新種の生命体を見るかのような眼で隣のバニキスを見ている。
「いや……どうした、気色の悪い……」
「気色悪い……?」
「おい、バニキス――まあいい、あの左から二番目の服なんだな?」
「ああそうだ。宜しく頼むぜ、リオウ様」
「チッ」
リオウは頭を振りながらさっさと店の中へと入っていった。
ひょっとして買い物をしに行ったのだろうか。ザルチムはもう一度驚いた。自分の所望する物と引き換えに等価の金を渡す、「支払い」という概念さえ知らなかったリオウがいつの間にここまで。
ザルチムは一緒に残されたバニキスに話しかける。
「――なあ、リオウがこんな風に外に出てくるってのも珍しいんだが、今回も社会勉強ってヤツか?」
「ええ、お勉強です」
「あんた家庭教師なんだろ? どういう勉強を教えているんだ」
「ハハ、まさか。彼に"勉強"を教えられる訳がありません、独自に学んだ方がよほど賢いですからね、リオウは」
「だろうな。前にオレの学校の教科書を見せた時、あァお前は幼稚園生なのか? ってまじめな顔して訊かれたからな」
「今回は買い物の仕方。私が教えているのは所謂一般人の暮らしという奴です」 バニキスは掌をひらりと翳した。「社会のトップに立つ人間になるには、人心掌握術が不可欠です。するりと人の心に入り込んだり、己の目的に役立たせるべく他人を意のままに動かしたり、蹴落とすべきライバルの心をどうすれば完全にへし折ってやれるのかなど――それを知るには大衆を学ぶのがうってつけでしょう?」
大意さえザルチムはよく解らなかったが、バニキスの口調はいかにも楽しそうだった。
「そういう難しい事はよく解らねえんだよな」
「簡単ですよ。何よりとても楽しい」
「だが一般人の常識を身につけさせるのはいいことかもな」
「ああ、彼はあまりにモノを知らなさすぎますね。大事に育てられ教育されてきた成果が良く出ている」
「10円とか100円とか、小銭の存在すら知らなかったからな……」
「よっぽど将来に――偏った――必要な事しか教わっていなかったんでしょうね」 バニキスは笑った。「世間知らずな方が都合のいい所もありますがね」
「何だって?」
「いいえ」
「あんたリオウの家にそのまま住んでるのか?」
「ええ、そうです。彼のお父上やお母上は私の事がお嫌いなようですが」
穏やかに微笑したままのバニキスはそこで一層愉快そうに片眉を上げた。
え、と声を漏らすザルチム。
「凄えなあんた、いや凄いってことじゃないんだが、リオウの親に会ったのか。一回も見たことなくてよ」
「お母上は可愛い顔立ちですけどね――リオウは彼女の方に似ていますね――お父上は酷いですよ。二の腕の幅だけで私三人分です」
「そりゃまた……大変だな……」
「まあ彼らは私を嫌いと言うよりむしろ気にも留めてないのでしょうけどね、虫けらと同じ」
ショーウインドーにもたれていたザルチムにくるりと背を向け、バニキスは大げさに両腕を開いた。
「お父上達を始め親類の方々……あの家の皆さんは揃いも揃って閉鎖的で、保守的で、独善的で、排他的で、野心的で、隔絶された一族です」
バニキスが優雅な動作で振り向いた。
笑っている。
そして笑みを含んだ声で囁いた。「とびきりばかげた一族です」
そこにある様々の意図を完全に酌めるほどザルチムはまだ大人じゃなかった。思った事はこいつはあんまりリオウの家族好きじゃないのかなあ、ぐらいだった。
(――……?)
同時にザルチムは、一瞬、違和感を感じる。
柔らかい笑みを絶やさない目の前のバニキスの表情。
強いて例えれば、実際のきれいな青空の写真があって、その横にコンピュータグラフィックスで再現された本物そっくりの青空の映像。 本当に本物そっくりなのだがやはりそれを見た時に一瞬、ん? と無意識に感じるような微かな違和感。
ともすれば自分でも気付かないほどに一瞬の感覚だったのですぐにザルチムの思考は次の事へ移って行く。
(そういえば……こういう感じだし、お坊ちゃんのリオウの家庭教師ってことはやっぱおんなじような金持ちとか、それなりの所から選ばれてリオウについたモンだと思ってたが、一般人の暮らしを教えるとかってことはこいつも一般のヤツなのかね)
どう解釈しても兄弟にすら見えない黒尽くめの学生と黒尽くめの長い金髪の二人連れは目立っていた。
街中なので尚更だ。先程から通り過ぎる人々がちらちらとザルチム達を見ていく。
(めんどくせえなあ……)
学校などでもやたらと悪目立ちするロデュウやキースの事を思い浮かべる。変に目立つ事が嫌いなザルチムはニット帽を更に深くずりさげた。
対してバニキスは悠然とした立ち姿で相変わらず微笑を湛えていた。
そういやラウシンに頼まれた材料あるしな、あんまり遅くなっちゃいけねえな、と考えていると、
「ザルチムくん」
バニキスの顔がぐっと近くにあった。
長身の彼が腰に手を当て背を屈めてこちらを覗きこんでいる。
だからザルチムはそれで初めてバニキスの眼をまともに見た。
きん、と冷えた音がするようなアイスブルーの瞳だった。
二人揃って宝石みたいな眼ェしてんだな、と思った。
「何だ?」
「ザルチムくんは」 微笑んだ形の唇が動く。「リオウのお友達なんですか」
さて、と思うザルチム。
さて――どうなんだろうか?
「……リオウの方はどう思ってるか知らねえがね、まあ――オレはそれに近いモンだと思ってるぜ」
バニキスがふっと微笑んだ。「それはそれは」
途端、
バンッ。
ギッとバニキスの眼が鋭くなり一瞬で笑顔が凶悪なものに変貌した。
黒い両腕が自分の左右にあり、ザルチムはショーウィンドウに押し付けられていた。
「あっそ」 邪悪さに溢れた低い声が言った。「解ったから、お前リオウに近づくんじゃねえよ、生意気ボーヤ」
どういう状況だ。
ザルチムは硬直していた。何だこれ? え? 何?
数秒前まで目の前には微笑したバニキスという人がいた。今もいる事はいるし笑ってもいる。
しかし、先程までと笑顔の種類が違いすぎた。
「お耳が帽子で隠れてるがちゃんと聞こえましたかね、もう一回言ってやろうか」 ザルチムの耳元に口を寄せ、「――今度リオウに近づいたら泣かすぞ」
手を離してバニキスは背を起こした。
その体勢で今度は右足のブーツをガンッ、とザルチムの後ろの壁に押し当てる。
「――返事は?」
「あの……あんた……その、あれだ――えーと、家庭教師じゃ……」
「そうだって言ってるだろうが、それが何か?」
「雰囲気ずいぶん違うなあと……」
「どうでもいいから解ったのかよ、お前確か他にも連れがいるんだよな、そいつらにも言っときな。リオウにオトモダチは要りませんと」
そう言って舌を出すバニキス。表情から口調から態度から何から何まで先程までと別人だった。
ザルチムはまだ混乱している。
今ははっきりと解った。この男は残忍で悪意に満ちたものを内包していた。たった今までそれを完璧に包み隠していた。見事な嘘の笑顔だった。
訳解んねえよこんな状況でオレどうすりゃいいんだよ……訳の解らん男相手にザルチムが冷や汗を流していると、店の入り口が開きリオウが出てきた。
「バニキス、オレのものではないと言ったら変に包装されたぞ。これでよいのか」
「お帰りリオウ、ちゃんと買えたじゃねえか?」
バニキスが手を振る。足をガラスに押し付けたままだ。足下ろしてくれと思う。
自分へ向けた笑顔とリオウへの笑顔は、また酷く感じが違っていたからザルチムはより一層戸惑うのだった。
「煩わしい手続きばかりだ。家で仕立てさせた方が余程よいわ。――ザルチム何をしている」
「いやオレは何もしてない……」
「仲良くお話ししてただけさ」 足を下ろしながらしれっとバニキスが答えた。「なーあ? ザルチムくん」
「ああ――気色の悪い冗談は終わったのか、バニキス」
「リオウもう帰ろうぜー。寒い」
「寒い!? それも何か、冗談か? お前という奴はどこまで軟弱なのだ!」
「ハイハイ、後で聞きますって。さあ行こうぜ」
「あ、おいリオウ――」
「ああ、ザルチム――そういう訳だ、それじゃあな」
リオウとバニキスは歩き出した。
今の今まであれだけ害意のみで構成された雰囲気だったというのに、バニキスはもう機嫌が良さそうに日傘をくるくると回していた。
自分でも何を言いたいのか解っていなかった。混乱したままの頭でザルチムは、ちょ、とリオウの背中を声で追った。
「リオ――」
「それじゃ」 バニキスが振り返った。「ご機嫌よう、ザルチムくん」
もう装う事さえしていない、あからさまな空々しいきれいな嘘の笑顔。
片手に買い物袋を持ったザルチムは、しばらくそこで呆然と立ち尽くしていた。





「リオウ、明日はどこへ行く? 色々面白い所があるぜ」
「そうそう連日出かけていられるか、明日は通常通りの学習をする」
「何だよ、つれないねえ。じゃあオレは遊びに行こうかな」
「お前、先程のザルチムへのあれは何を思ってあんな喋りをしていたのだ。驚愕したわ」
「別に。ちょっとかわいこぶってみただけだ」
「戯け」
「あァー、オレが普通の喋りになった時のあいつの顔、面白かったなあ」
「お前はつくづく趣味が悪いな」
「お褒めに与り光栄ですね」
「悪趣味の莫迦ならばまだしも、悪趣味で小賢しい奴はタチが悪い」
「そういえば」
「何だ」
「あいつら――ザルチムくん達が行ってるのはどこの学校なんだ?」





家に帰り着いた時ザルチムは、何だかどっと疲れた気分だった。
「お、ザルチムお帰り。すまんな、うっかり買い忘れの材料があって夕飯の仕度がな――」
出迎えてくれたラウシンに癒される思いだ。
ようやく頭の中の整理がつき、今日街であった事を話せるか、という段階になったのはもう夕食も終わりかけの頃だった。
「夕方、買い物の時にリオウに遇ったぜ」
「リオウに? そりゃ珍しいな」
「リオウに家庭教師がついてたんだ」
「家庭教師――?」 ラウシンも驚いた顔で箸を止めた。「あのリオウに、か……それはまた珍しい事になったもんだな。どんなヤツなんだ」
「若い男だったな、アドラーより少し上ぐらいだ。つっても教えてるのは普通の勉強じゃなくて、オレ達みたいな一般人の暮らしについてらしい」
「ふぅん。何てヤツだ?」
ザルチムはぴたりと手を止めた。
そういえば自分はまだ一度もあの男の名前を口にしてなかった事に気付いた。
「あー……まあ――変なヤツだった」
ザルチムはとてつもなく好意的な表現で話題を締めくくった。
率直な意見を述べればベルンやジェットも「変人」と言っても差し支えなかった。しかし彼らはさっぱりと明るい変人であるのに対し――たった一度の会話でこういった判断を下すのは気がひけたが――今日のバニキスと言う男は非常に薄暗いものを感じさせた。
できればラウシンにはあまり会わせたくないものだ。
まあ、リオウは滅多に家から外に出ねえし、家庭教師なんだったら、あいつとももうそうそう会う事も名前を呼ぶ機会もねえだろう。
そう思ってザルチムは手を合わせてごちそうさまを言った。
嬉しくない事に――そうではなかった。
嘆くべき事に、バニキスと言う人はやたらと外出が好きだった。
誰かと遊ぶ――誰かで遊ぶ事が、大好きだった。
もうそんなに会う事もないに違いないと思っていたにも拘らず、一日すら置かず次の日早々にバニキスとラウシンが不可抗力で顔を会わせ、あろう事か学校に堂々と訪問してき、恐るべき速さで次々に仲間達と接触し――初めて街で会ってから一週間後には、仲間達の保護者までも一人残らずバニキスを知る事となった。
なんかまた強烈な野郎がきたな……そうロデュウが漏らしていた。
そんなに積極的にお近づきにはなりたくない人ね――チータが応えていた。
あまつさえ、ザルチムの想像していた以上に――想像に念入りに強靭な輪を何重にもかけた以上に、バニキスは性格に問題のある男だった。
(どうにも困ったモンだな……)
ザルチムは考え事をする時の癖でちょきちょきと折り紙を切りながら、放課後の教室にいた。
机の上には既に二匹のカブトムシと一匹のトンボが並んでいる。
リオウはきっといつかでかい事をやるヤツだと思う。
ザルチムは今もそう思っている。
(だが――あいつは大丈夫なモンかね……)
どういう経緯でバニキスを家に置く事にしたのだろうか。
人心なんとかがどうのと楽しそうに語っていたバニキスを思い出す。とは言っても、世間知らずではあるがあのリオウの事だから、おかしな奴に騙されているなどという事はないだろう。 それでもあの滲み出る暗黒面を持った男の事を思えば気にはなった。
しかしだ。
あの男は確かに、間違う方が困難なほど確かに問題のある人間である。
しかしそれでも、初めてリオウが自分で選んだ人間だ。
傍に置く事を自分で選んだ人間だ。
それならザルチムがあれやこれやと口を挟むべきではない。
(やばい事になりそうになった時に、オレは注意すりゃいいんだな)
ザルチムはハサミを置いた。
ロデュウ達もそれぞれ独自の遣り方でバニキスに対応しているし――ジェットに至っては友好的な関係まで築いたようで度肝を抜かれた――自分とあいつとの付き合い方は今後じっくり考えればいい。
もしかしたらリオウは……あいつの助けで何かをするのかもしれないし。
――それもいい。
窓の外の夕焼けに、ザルチムはあの日のまばゆい王威の光を思い出していた。
いつかのその時も、リオウはその光を背に荘厳に立っている事だろう。
できれば自分は、それを見たいのだ。












私はバニキスが大好きなのでどう頑張ってもいつの間にやらバニキスが目立ってしまうな…
個人的にはぎーごーさんがリオウに近づくなばーかばーか!!ってしつこく嫌がらせしてきても、ザルチムの方が大人な対応してるイメージです。
因みに拍手お返事置き場に置いていたイメージ図

08.1.26



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